サッカーコラム ~2013年5月 おとぎ話は続く。
バルサ - バイエルン (0-4・0-3)
合計 0-7の敗北。
あの1時代を築き上げた シャビがイニエスタがビジャが、、、
完膚なきまでに叩きつぶされた。
バイエルンの圧勝。
これは歴史の転換期なのだろうか?
ふと蘇った記憶がある。
ベッカムが赤いユニフォームをまとっていた時代。
バイエルンとのCL決勝。
相手はカーン、マテウスを擁するバイエルンだった。
試合は0-1でバイエルンが優勢となり終了を迎えようとしていた。
「サッカーとは22人が戦いあい
そして最後にドイツが勝つ」
とまで言わしめた格言通りの勝負強さを見せていた。
後半90分までは。
あの奇跡の3分間。
CKを得たマンチェスターはベッカムが鋭いボールを入れる。
そこに合わせて 1-1。
これでドラマは終わらない。
さらにロスタイム、再び得たCK。
ゴールキーパーのシュマイケルまでが上がってきての総攻撃。
勝ちを確信していたマテウスはその数分前に拍手を受けるために交代していた。
彼の有終の美のはずだった。
その3分間で2点を叩き込まれたドイツは落日した。
そしてその奇跡はおとぎ話のように語り継がれた。
マテウスは呆然とするしかなかった。
あれから10数年。
バルサがほぼすべての試合で大量得点を奪い、
パスサッカーの未来を見せ、
クラブW杯でのネイマールとの対決では
子供相手の試合かのように
簡単にゴールを奪い続けた。
そのバルサが落日した。
その相手は あの、ドイツ。
勝利だけを目指した監督がいた。
チームが壊れようと、人間関係が壊れようと、主審を公然と批判しよと
ただ、勝利だけが善である男がいた。
モウリーニョはバルサへの勝利を約束にレアルでの仕事を完遂した。
同時に、ポルト、インテルでなしえたCL優勝を花束に退団するつもりだっただろう。
彼の夢は潰えた。
それはわずか10年前、財政難から2部落ちの危機すら味わったチームだった。
ロシツキーがいた時代、わずかに輝いたそのチームは、
香川の名前で一躍有名になった。
バイエルンを圧倒した過去2年。
その2年を教訓にバイエルンは復活を果たした。
そして苦しみぬいたドルトムントは
ロイス、ゲッツェ、レヴァンドフスキといったスターを手に
CL準決勝の舞台でレアルと対等に渡り合った。
試合はスリリングなもので、オープンだった。
たがいに決定機が数多くあり、公平に見てもどちらが勝者か分からないほどに。
レアルは意地をみせ、2-0で勝利した。
だが、1-4で敗北していた1戦目が響き、レアルも消え去った。
ドイツのチームが ここ数年のスペインのクラブチームに勝つことは
およそ おとぎ話の世界の話だった。
サッカーは、常にドラマや映画を超える幻想を生み出す。
だからこそ面白い。
思えば たった数年前にJ2にいた 代表落ちした選手が、
ドイツで2年連続優勝を果たし、
ベスト11を受賞し、
その翌年に バイエルン相手に奇跡を見せた
あのマンチェスターに加入して
さらにハットトリックを決めるなど
だれが 想像しただろうか?
脚本家が書いたとしたら 即却下な話だ。
おそらく理由は、
「非現実的すぎる」 と。
だが、これが現実だ。
おとぎ話は続く。
来年も 再来年も、、、そしてこれからもずっと。
僕らは幸せな時代に生きている。
Cロナウドやメッシが茫然と立ち尽くす姿を見るのは
すなわち 新しいお伽話が生まれた瞬間を見ているのだから。
そして勝利に歓喜してる彼らが次の物語の主人公となるのだろう。
素晴らしいサッカーの世界は続く。
※ この記事は、2013年5月2日にアメブロ「虚言」で書いたものを移しました。
